長女の卒業式はあいにくの雨。これは時間的にちょっと無理かなということで予定を変更。往路はタクシー、帰路のみ徒歩に挑戦することに。午前中に式典を終えて、担任と部活の先生にご挨拶を済ませ、打上げクラス会に行くという長女を残し(PTA主催の謝恩会は後日開催ということなので)小雨の中を駅前のトンカツ屋まで歩いてみた。ここは入学式の帰りに妻、長女と3人で昼食を取った思い出の場所だ。3年前の元気一杯だった頃を思い返して立ち寄ってみたが、そこには意外な難関が待ち受けていた。

そう、階段だ。2階の入口にたどりつくにはエレベーターもエスカレーターもなく、実用性の無い、こじゃれた手すり付きの上りにくい階段があるのみ。うーん、これは下りも大変だなぁと思いつつなんとかお店に。ところが今度は座席までの通路に玉砂利と飛び石ときた。まぁ、これもクリアして注文。目の前にはお箸だ何だとセットされていく。やっとゆっくり食事ができるかなというところでゴマの入った小さなすり鉢とすりこ木が用意された。以前なら苦にもならなかったこのゴマスリ作業がなかなか難題で、不自由な左手はすり鉢を支えるだけのはずなのにうまく作業ができない。

ゴマスリがうまくできない奴は出世もできないなんて冗談言ってる場合じゃない。

食事も終わり、下り階段をやっとの思いでクリアして、いざ京王線の最寄駅へ。えーッ!この駅には駅前から改札への階段や通路にも改札からホームへ行くのにも、エレベーターやエスカレーターが全く無い。長女の為に文化祭だ演劇部の発表会だと、今まで何度かこの街には来ていたのだが一度も意識したことがなかったなぁ。
とにかく電車に乗ろうとホームへの階段を上りはじめるが、丁度快速が来る時間らしく、若者たちがすり抜けるように駆け上がって行く。ホームは人で一杯。昼過ぎなのにまるでラッシュアワーのようだ。とにかく混んでいる快速は避けて各停で新宿へ。

終点の新宿に電車が着いた。出遅れた私にお構いなしに、洪水のように乗客が押し寄せる。終点=始発だから当然座席は空いてるわけだが、誰もが無意識に我勝ちな席取り合戦に熱中しているのがよく分かる。ほんの4ヵ月前まで自分もあんなものだったろう。

さて、さすがは新宿。エスカレーターもエレベーターも完備の街。
とりあえず、エスカレーターの人の列に付いていけるか挑戦。難無くクリア。次に新宿の人ごみの中を泳げるか?これは杖のおかげか、向こうが道を譲ってくれるのでクリア。
ただ一つ難題は、意外なことに道路に敷設された「黄色い盲人用の通路プレート」だった。あの凸凹が麻痺した足のつま先に引っかかって、躓き転びそうになるのだった。
障害を持つ身体部位によって、役立つものと邪魔になるものがあることを身をもって知った1日だった。良い社会勉強になりました。
この試練に感謝!(とか言いながら、病院に戻ったらリハビリの先生方には、調子付いて長距離を歩いて、カチコチに緊張してしまった筋の状態に、週明けに呆れられてしまうことだろう)

コメント

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川島
2006年3月14日11:53

 ご無沙汰しています。先日3週間もの間お世話になった川島です。その節は大変お世話になりました! なかなかアクセスできずやっとこのサイトを見ることができました。外出されていろいろと
ご苦労されているようですが、GEEさんなら乗り越えていけると信じています。また寄らせていただきます。では!

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オトボケオーテー
2006年3月19日23:56

GEEさん!より実践的になってきましたね!
今までは考えもしなかったことに改めて気が付いたりと発見の連続だと思います。私はOTとして、その方にとってできるだけ安全に今までの生活スタイルに戻っていただきたい!と願っております。そのためには何が必要かいつもいつも考えています。だけど、全てを網羅するには限界もあるんですよね・・・
だから、GEEさんの体験記はとても参考になります!これから、プライベートや仕事等で外出されることも多くなるし、そこでまたいろいろと不便なことが出てくると思います。その様な体験、工夫した点など、是非この日記で教えてくださいね!
そして、いろんなことにチャレンジしてください!
また・・・あまり言いたくありませんが、お酒はいままでのスタイルよりどうぞ控えめに・・・(人のこと言えませんが・・・)